概要
- 20世紀初頭
- 9つの点を持つ図形が、ジョージ・グルジェフの「第四の道」の教えに、性格タイプなしで登場する
- 1960年代
- オスカー・イチャーゾが、プロトアナリシスの中で図形の各点にタイプの記述を結びつける
- 1970年代初頭
- クラウディオ・ナランホが、アメリカのバークレーでタイプを発展させる
- 1980年代以降
- 書籍、イエズス会士による講座、商業的な診断を通じて広まる
この流れを知っておくことには意味があります。エニアグラムのスピリチュアルな色合いも、寄せられる批判も、その起源から説明できるからです。
エニアグラムの歴史:短いまとめ
近現代の流れは、4つの節目でたどることができます。[1]1つ目は20世紀初頭で、9つの点を持つ図形がジョージ・グルジェフの教えに登場します。この時点では性格タイプとは結びついていません。2つ目は1960年代で、オスカー・イチャーゾが図形の各点にタイプの記述を結びつけます。3つ目は1970年代初めで、クラウディオ・ナランホがこの体系をバークレーに持ちこみ、今日知られている心理学的なタイプ像へと発展させます。4つ目は1980年代以降で、書籍や講座、診断を通じてエニアグラムが広まります。その中には、アメリカでイエズス会士が教えた講座もありました。[1]
エニアグラムを考案したのは誰ですか
ひとりの発明者がいるわけではなく、正確に答えるなら3人の名前を挙げることになります。グルジェフが図形を教え、イチャーゾがタイプの記述を結びつけ、ナランホがそれを今日使われているタイプ像へと発展させました。[1]誰かひとりの功績とする説明は、話の一部しか伝えていません。以下では、この3つの段階を順に見ていきます。
タイプの前にあった図形:グルジェフと第四の道
ジョージ・グルジェフ(1866年ごろから1949年)は、アルメニア系ギリシャ人のスピリチュアルな指導者です。彼の体系「第四の道」では、9つの点を持つ図形が中心的な図として使われていました。[2][3]グルジェフの教えでは、この図形はプロセスや法則を表す宇宙論の一部であり、性格の地図としての意味はありませんでした。図形そのものの構造はエニアグラムの図形の記事で解説しています。
グルジェフがこの図形をどこで知ったのか、あるいはどう導き出したのかは、はっきりした記録がありません。[1]後に一般向けの本が、古代のスーフィズムの学派やほかの古い伝統に起源を求めましたが、こうした説には異論があり、文献による裏づけもありません。そのため本格的な歴史の解説では、今の形の図形はグルジェフに始まるものとして扱われています。[1]
オスカー・イチャーゾとプロトアナリシス
性格にかかわる部分は、ボリビア出身の指導者オスカー・イチャーゾから始まります。イチャーゾは1960年代に「プロトアナリシス」と名づけた体系をつくり、図形の9つの点にタイプの記述を結びつけました。[4]イチャーゾは各点に固着(フィクセーション)や美徳などを対応させて教え、宇宙論の図を人間のタイプの地図に変えました。単なる図形ではない、性格のエニアグラムが生まれたのはこのときです。[1][4]
バークレーのクラウディオ・ナランホ
イチャーゾの体系を現代のエニアグラムへと進めたのは、当時アメリカで活動していたチリ生まれの精神科医、クラウディオ・ナランホです。[5]1970年代初め、ナランホはバークレーでこの体系を教え、タイプの記述を深めて広げ、秘教的な教義ではなく心理学的なパターンと結びつけました。[1][5]その教えは弟子たちによって外へと広まりました。その大きな流れのひとつが、アメリカのイエズス会の司祭やカトリックの黙想会を通じたもので、これによってエニアグラムはアメリカで最初の支持者を得ました。[1]
エニアグラムはどのように広まったのですか
一般に広まったのは、主に出版を通じてです。1980年代後半から、ドン・リチャード・リソやラス・ハドソンといった著者の本によってエニアグラムは幅広い読者を獲得し、「発達のレベル」やRHETI診断を含む共通の用語も定着しました。彼らの仕事についてはリソ・ハドソンのエニアグラムの記事で解説しています。[1][6]続いて商業的な診断が生まれ、さらにインターネットの普及によって、エニアグラムに触れる機会も、学派ごとの意見の違いも一気に増えました。このサイトの診断も、この最新の段階に属します。エニアグラムとはの記事で紹介している9つのタイプを採点する、自己申告式の診断です。
起源を知ることが大切な理由
エニアグラムの起源を知っておくべき理由は2つあります。ひとつは、用語の背景がわかることです。エニアグラムには今も、学術的な心理学の用語ではなく、グルジェフの「第四の道」に由来するスピリチュアルで哲学的な言葉が残っています。[3]もうひとつは、何を期待してよいかを正しく見きわめられることです。100年続く教えの系譜は、検証された心理検査と同じものではありません。この違いはエニアグラムへの批判の記事で取り上げています。[1]
よくある質問
エニアグラムはどこから来たのですか?
現在の形のエニアグラムには、名前のはっきりした3つの源流があります。9つの点を持つ図形は、20世紀初頭のジョージ・グルジェフの教えに、性格タイプなしで登場しました。オスカー・イチャーゾが1960年代に自身のプロトアナリシスの中で図形の各点にタイプの記述を結びつけ、クラウディオ・ナランホが1970年代初頭にそれらのタイプを心理学的なプロフィールへと発展させました。
エニアグラムの図形はどのくらい古いのですか?
今知られている形の図形は、20世紀初頭のグルジェフの教えの中で記録されているので、描かれた図形としてはおよそ100年の歴史があります。性格タイプはそれよりさらに新しく、1960年代から1970年代に生まれたものです。
エニアグラムは本当に古代からの教えなのですか?
一般向けの本では、古代のスーフィズムやキリスト教、神秘主義の伝統に起源があると語られることがありますが、こうした説には異論があり、文献による裏づけもありません。実際にたどれるのは、グルジェフからイチャーゾ、ナランホへと続く近現代の流れです。もっと古い起源の話は、歴史ではなく言い伝えとして読むべきでしょう。
関連項目
- エニアグラムの図形とは:円、三角形、ヘキサッドエニアグラムの図形とは、9つの点を持つ円に三角形とヘキサッドを重ねたものです。
- リソとハドソンのエニアグラム:発達のレベルとRHETIリソとハドソンのエニアグラムを解説。
- エニアグラムとは?意味と9つのタイプをやさしく解説エニアグラムとは、性格を9つのタイプで説明する心理モデルです。
- エニアグラムへの批判:正確さ、妥当性、研究の現状エニアグラムへの批判を公平に解説。
参考文献
- ↑ Enneagram of personality. Wikipedia
- ↑ George Gurdjieff. Wikipedia
- ↑ Fourth Way. Wikipedia
- ↑ Oscar Ichazo. Wikipedia
- ↑ Claudio Naranjo. Wikipedia
- ↑ The Enneagram Institute. The Enneagram Institute
カテゴリー: 基礎知識 · 同じカテゴリーの記事: エニアグラムとは?意味と9つのタイプをやさしく解説
最終更新:2026年9月19日